書くだけでは読んでもらえない!文章編集のポイントなどを徹底解説!
従来からある雑誌・書籍といった媒体に加えて、インターネットが普及してからはWebサイト・ブログやSNSサービスなど、あらゆる箇所で文章が必要とされています。
特にWebメディアに関しては、投稿の手軽さ・発信のしやすさから日々多くのコンテンツが生まれ続けていて需要が高まっている状態です。
しかしただ単に思い付いたまま文章を書けば良いという訳ではなく、読み手を意識した上での創意工夫が必須となります。
ここではユーザーに読んでもらうための内容・コンテンツを作る上での、文章編集のポイントについて解説していきます。
文章をスリムにして読みやすさを向上させる
編集の仕事のポイントとして挙げられるのが、文章の読みやすさの向上です。
一番良い方法は、編集者が一度読み手・ユーザーの視点に立って読むと良いです。
読みやすさを阻害する要素の1つとして、文章の不適切な長さが挙げられます。
メディアやジャンルによるところも大きいですが、一文に対して40〜70文字あたりが目安になります。
長くても100文字程度で、一旦文章を区切ると読みやすくなるケースが多いです。
ひとつの文に複数の意味や場面が含まれていたら、なるべく区切ったり削ったりして「一文一義」を心がけると良いでしょう。
加えて読点が多すぎたり、少なすぎた場合も読むのが辛くなるのでその点もチェックするのがおすすめです。
通読してみて、不要な箇所があれば思い切って削ってみるのも1つの方法です。
文章量が少ないうちは、何とか見栄えを良くするためにエピソードなどを足したくなりますが、それを堪えて削るのも編集者の仕事と言えます。
また常用外の難読漢字をはじめ、不必要なほどに漢字が使われている場合はできるだけ開くようにします。
読みやすさを意識しながら漢字ばかりになっている箇所や、反対に平仮名ばかりになっている箇所を調節するのも編集のコツと言えるでしょう。
分かりにくい・まわりくどい表現を修正する
編集前の文章にありがちなのが、主語と述語の関係が明確でない事例です。
日本語は基本的に主語を省く言語であり、日常会話では述語のみになるケースも少なくありません。
しかし読んでもらう人数が増えるごとに客観性は増していき、それに従って内容を確実に説明する文章力も必須となります。
文章をチェックする上で、主語に対する述語がどれに当たるのかをはっきりさせるのが重要です。
主語と述語のねじれは特に発生しやすいため、注意しながら読むようにしましょう。
次に名詞を飾る形容詞や修飾語を多用した文章もまわりくどくなるため、編集ポイントとなります。
文を飾り立てる言葉が連続すると、どれに対して説明しているのかがぼやけてしまうからです。
同様に「こそあど」でお馴染みの指示代名詞も、文中に使い過ぎるとややこしくなるので適宜具体的な単語に置き換えていきましょう。
分かりにくさは無いものの、稚拙さが増えてしまうものに同一の文末表現の連続使用が挙げられます。
特に「ですます調」では語尾表現の語彙が少なく、単調になりがちです。
詩や小説・物語などの文中で狙った表現のために繰り返すのであれば話は別ですが、通常の文体であれば避けた方が無難です。
コンテンツの質を上げる工夫
誤字脱字など誤りを修正する校閲とは異なり、編集は読みやすさやコンテンツの品質を上げることがメインとなります。
もちろん勝手に芸術性や編集者の個性を足すという意味ではなく、ライターが書いた文章を尊重しつつもクオリティを底上げするのが主体です。
中でも散見されるのが、やや主観的になっていて表現が読者に伝わりにくくなっている文です。
この場合はライターの書いた原文を大事にしつつ、内容に客観性を付与していくと良いでしょう。
説明が難解な場合はたとえ話を入れたり、一般的に知られていない単語や知識には注釈を挟み込んだりといった対処が挙げられます。
また文と文の間で唐突に話題が変わったり、論理的な飛躍が見られた場合も修正が必要です。
書き起こしを参照しつつ、抜けたエピソードや文章の内容を補足して繋げるようにすると良いです。
繰り返し文を読み直して、目的・意図を読み込みつつ全体的な文章の流れを作るイメージでチェックすることが重要になります。
日頃文章を読む時はただ目で追うだけでなく、大きな流れを見ながら読んでいって不足する文章やエピソードがないかどうかを考慮していると、編集能力が大いに鍛えられておすすめです。
まとめ
文章の編集者に求められるのは、読者と同じ視点に立って読みやすさを追究することです。
ひとつの文章が長くて読みづらく感じたら、読点で区切ったり一度文章を切ってスリムにしたりするのが有効です。
修飾語・形容詞や指示代名詞の多用は、分かりにくさや回りくどさを増長させるため削ったり具体的なワードへと置き換えたりします。
書き手が陥りやすい主観的な表現を、どこまで客観視して人に読ませる文章へと変えられるかが編集者の腕の見せ所です。
日頃から文章を読む際も、編集者と読者としての両方の視点を持ちつつ文に触れるのがポイントになります。
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